前回の続き。今回もTV放送とYouTube版をそれぞれ視聴。
TV番組としての感想
前回までは辛辣なことばかり書いてしまったが、それは期待の裏返し。前回までに感じた不満点を要約すると以下の二つ。
- 視聴者が期待していたモノと、実際の放送内容が乖離している。
- T V番組として普通に面白くない。
#03はこれらが改善して、格段に面白くなっていた。
番組構成はオーデション番組らしい内容になり、候補者達の努力と成長にカメラが向けられ、経験者の強みや未経験者の葛藤などにスポットが当ててストーリーを生み出していた。次回予告では、経験者トアちゃんへ懐疑的な視線を向けさせるようなシーンを入れて次回まで興味を持続させるポイントも用意。スタジオパートのブラマヨ小杉は相変わらずキッチリ自分の仕事をしている。
私だけではなく、きっと多くの視聴者も番組の改善を感じて、少し安心したと思う。
ふと「このTV番組は誰が見るのだろう?(=どんな視聴者に向けて作っている?)」と思い、考えてみた。
- NoNoGirlsなどのオーディション番組が好きな人
- 佐藤晴美を好きな人
- E-girlsを好きだった人
- LDHというグループを好きな人
- LDHの既存グループ(Girls2,iScream)のファン
- 全くの新規(土曜日の午後に、なんとなくTVを見ている層)
以上の6つが主な視聴者だと思う。6以外の視聴者層には、説明や見せ方を誤ると途端にアンチ化しそうなので、今後も茨の道は続きそうだと思った。
今週の佐藤晴美
画面に登場する量は少し抑えていたが、相変わらず佐藤Pは大活躍。今回、気になった点は2つ。
- すぐに泣く
- 候補者達への指導スキル
1について。オーディション番組での女性の涙は、すでに見飽きた光景。なのに、プロデューサーの涙など何度も見せる必要は無いと思った。番組の演出としても、奥の手まで取っておいた方が良い。ただ、これは佐藤Pの優しさ故なので厳しく言いたくない。
- ”泣き虫キャラ”を強調・確立し、スタジオ小杉にイジリ倒してもらい笑いへ昇華
- 審査過程後半から涙を封印し、”鬼の晴美”に豹変
などの演出で、良い方向に見せ方を転換して欲しい。
2については今後が心配。候補者達への指導内容や評価コメントは、精神論が多い。そして、「良かった」「光ってた」「気持ちが伝わった」などの抽象的な言葉ばかりで、具体的なポイントを突くEXILE NAOTOやボーカル・トレーナーと比べてしまった。この番組では佐藤P自身も視聴者に審査されている。「プロデューサー」の肩書きも何を何処まで手がけるのか漠然としている。彼女の役割をもう少し明確にしておかないと、またアンチ・コメントが増える原因になりそう。
スタートの躓きを取り戻せるか?
#01,02のYouTubeコメント欄は、辛辣な意見で埋め尽くされている。しかし単なる批判ではなく「LDHへの期待と愛情が持つがゆえの失望」と思える意見が多い。それは上述の視聴者層2〜5に該当する人達だと思う。深刻ではあるが今後、この人達が納得できるモノを見せれば、大逆転は充分可能だと思う。
失望の原因の1つは、視聴者への説明不足だと思う。企画説明の上で最も大事な「思想・方針」が不明瞭なため、この番組でどのようなグループを作りたいのか非常に分かりにくい。だから視聴者側に困惑と不安を与えるのだと思う。
#01冒頭から、するべき説明が不足していた。佐藤PとHIRO社長の対談では、フワッとした事しか言わず、芯の通ったシナリオや説明が無い。「E-girlsの復権と継承」や「EXILE級のグループ」を掲げるが、一体どのようなグループを作るか明言しない。「LDHの女性グループ全体の底上げ」と言うワードも抽象的で、実力なのか、人気なのか、知名度なのか、量なのか、女性グループの”何を”底上げしたいのか言葉が不足している。
LDHは、プレゼンがヘタクソな企業という印象を受けた。LDHと言う名前を全面に押し出すが、詳しく知らない視聴者へ向けた解説(歴史、特徴、強み)も無く、宣伝にも繋がるはずなのに勿体無い。
今からでも「思想・方針」を明示し、視聴者の指示を得られる事を期待している。
あるべきだった最初のシナリオ
前述の通り、いまいち分かりにくい企画の「思想・方針」を、私なりに察した内容を以下にまとめた。
- LDHの女性グループは現在5グループあり、素晴らしいメンバーばかりだが、かつてのE-girilほどの広い支持は得られていない。[現況と課題]
- アイドルやKーPOPなどの女性グループ隆盛の時代において今の状況は悔しく、もっとLDHの実力や存在感を示し、女性アーティスト全体の実力と人気の底上げを図りたい。[目的]
- そのために、LDHの先頭を走るに相応しい新グループを作り、既存グループに刺激や変化を促すと共に、新たな才能を発掘・育成する。そのために以下の方法でオーディション参加者を集める。[方法]
- 既存グループから実力者や有志者を引っ張る。
- 優秀な人材育成組織であるEXPGと連携する。
- 他オーデ経験者などLDH外部からもスカウトする。
- 新グループは「2代目E-girls」と呼ばれるに相応しい、実力と人気を兼ね備えたグループを作る。[目標]
- E-girlsの魅力や他グルと違いをアピール
- 解散に至った経緯や反省も述べておく
- E-girlsも複数グルの集合体だったことも説明
- 最終的なメンバー人数や構成、音楽的方向性を示唆
- だから、オーディション責任者にはE-girlsのリーダを務めた佐藤晴美が就任し、LDH総力でこの企画をサポートする。[象徴]
このようなシナリオで企画を説明してくれたら、今ほど批判が噴出する状況は無かったと思う。少なくとも私は、とても楽しみに番組を視聴できただろう。
次回からの見どころ
YouTube版は、候補者生を映す時間がさらに追加されており、それぞれの個性が見え始めて面白くなってきた。
デビュー経験者と新人をmixする展開は、説明不足で視聴者を困惑させたが、企画を面白くさせるスパイスとして機能が働いてきた。#03ではユナちゃんの存在によってグループ全体に良い効果を与えたが、#04はトアちゃんピンチ回か?。
「バトル」と言う名前を冠する企画なので、協力や和気藹々なシーンばかりではなく、擦れ違いや対立が起きる場面にも期待したい。女子では難しいかな?。
オープニングに映っていた元E-girlsやf5veの面々は本編では登場せず。次回以降のお楽しみだが、一体何を語るのだろうか?。美辞麗句ばかりではなくショービジネス界の厳しさ等にも言及を期待している。他グループのLDH所属メンバーにも登場して欲しい。
再びオーディションを受けているiScream2名。↓の過去動画を見ると、夢の厳しさと儚さを感じざるを得ない…。
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