★★☆☆☆ 2025 アメリカ 監督:エリック・ピアソン 出演:フローレンス・ピュー、セバスチャン・スタン、ルイス・プルマン
あらすじ
政府高官の闇仕事を引き受けてきたクセ者達。罠にハメられ一斉に処分されそうになるが、一致団結して危機を逃れるが…。
感想
ディズニープラスで配信が始まったので観た。関連作品を予習していない私でも、あぁまぁ楽しめた。でも、まぁまぁしか楽しめない作品である。
主人公達の出自を知らないとキツイ
過去作の脇役キャラ達がチームを組んで活躍する。という話だが、登場キャラの出自は知らずとも、何とか話には付いて行ける。だが、感情移入は出来ない。
序盤で一気に多くの(私にとっては)知らないキャラが登場するが、新参者にも分かるような配慮はない。ポスターに出ているキャラも呆気なく死んでしまい、登場人物の整理と理解に追われた。その後ひょっこり表れた男に向かって「お前は誰だ?」と質問するシーンがあるが「お前も誰だよ」と思って観ていた。
それでも、話が進めば少し面白くなってくる。しかし、女性主人公エレーナが抱えるトラウマの回想や葛藤が描写されると、新参者はまた置いてけぼりにされる。彼女のバックボーンを知らないので、想像で補填しながら話を理解をするしかない。だからエモーショナルなシーンになる度、主人公へ思い入れが湧くどころか、ますます心が離れていった。
凡庸なストーリー
謎の男ボブが登場して少し経つと「この後きっと、この男が能力覚醒して暴走した、エレーナが助けるんだろうな…」という予想が浮ぶ。予備知識ゼロで見ても容易に発想できる展開だが、全くその通りに進んだ。
そして、ヴォイドの登場。絶対に勝てそうにない敵を火力不足のチームが、どのように倒すのか期待したが、「精神世界に入り込み、正気に戻す」という手垢まみれの展開には呆れてしまった。
ヴォイドは面白い
この映画で一番良かったポイントは「ヴォイド/セントリー」のキャクター・デザイン。真っ黒くて影だけのような姿は印象的で、人間を影に変えてしまう技も魅力的な表現だった。

一方、変身前のセントリー姿も秀逸で、古典的なヒーロースーツに身を包みながら、戸惑いと自信の無さを隠しきれない表情が面白おかしい。ルイス・プルマンの顔芸が素晴らしく、負け組が必死に取り繕う笑顔などがとてもリアル。「こういう表情する奴、見たことあるわ〜」って感心した。
他にも随所に仕込まれたユーモアなどの面白い点はあったが、全体的には退屈でMCUシリーズが好きな人にしか刺さらない映画だろう。本作の主役チームは次のMCU作にも登場するっぽいが、ヴォイド意外のキャラはもう見なくてもいいかな。
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