ヒドゥン

映画

★★★★★ 1987 アメリカ 監督:ジャック・ショルダー 出演:カイル・マクラクラン,マイケル・ヌーリー

あらすじ

犯罪と無縁の者たちが、次々と凶悪犯罪を繰り返す。事件を追いかける刑事ベックに、ギャラガーというFBI捜査官が現れる。彼は凶悪な異星人が寄生して悪事を働いていると説明するが…。

感想

いわゆる”モンスター寄生モノ”って、つまらない映画が多い印象だが、この作品は違った。

モンスターのキャラクターだけに頼らず、追いかける側の人物も魅力的で面白い設定。敵の現れない味方パートにも注意と興味を惹きつけ、全編に渡り緊迫感を切らすことなく鑑賞できた。

“相棒モノ”としても面白い

モンスター映画でありながら、バディー映画でもある。

この事件(寄生モンスター)を追いかける主役は、FBI捜査官と地元刑事の二人。よくありがちな設定で、操作方法の違いで摩擦が生じるが、やがて友情関係が生まれ…、というお約束な展開も踏襲する。しかし本作が面白いのは、FBI捜査官の正体は宇宙人であること。宇宙人と人間のバディーだ。

このFBI捜査官も実は人間に寄生した宇宙人で、家族を殺した犯人を地球へ追いかけてきたという設定。主演カイル・マクラクランの浮世離れした雰囲気と演技は、本当に宇宙人っぽくてマッチしている。血や汗が飛び交う中でも表情ひとつ変えない彼が、徐々に人間らしくなる表情を見せるようになる過程も面白い。

家族を亡くした男と、家族を残してこの世を去る男。この二人が融合するかのような結末が、SF作品としての良い余韻を与えてくれる。

悪役クリーチャー

ナメクジみたいな姿の悪役クリーチャー。気持ち悪いだけで怖くも無い。

だが、この悪役の最大の魅力は、その行動である。人間の身体に寄生して己の欲望のままに行動するのだが、その欲望の対象は「金、ロック、車、セックス、暴力」と、実に単純で分かりやすいw。もはや爽快感すら覚える悪辣ぶり。崇高な目的も複雑な背景もなく、ひたすら快楽に走る。近年の映画では珍しいタイプの悪役。

その一方で、地位を利用するために有力政治家を選んで寄生する知能まである。もう少し深掘りして欲しいキャラクターであった。

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