家を建てるまで(3)借地権の交渉開始

住居

稚拙な文書を送りつけてきた地主代理の不動産業者に電話をすると、現場である私の実家にて「借地権」について話し合いを行う段取りとなった。当然、事前に地主親族へも委託事実の確認は済ませておいた。

当日、打ち合わせに現れたのはシャツとスラックス姿の胡散臭い雰囲気のおじさん。電話では低姿勢だったが、面と向かうと軽薄で人を見下したような態度が感じられた。家に入るなり断りもなくソファに座る。同席していた母も不機嫌になり、一言も発しなくなった。

先方の作った文書の不明点を問いただすと、変な理屈を持ち出して話をはぐらかそうとする。表面的は丁寧な口調だが、私たちを舐めてることが窺い知れ、苛立ちを抑えながらの話し合いを続けた。その結果「今からでも借地更新の手続きを進めれば、文書の書かれている過去に遡った分の追加請求はしない」との言質をとった。きっと最初から譲歩材料にするつもりで事前に無茶苦茶な要求を文書を書いていたことは想像できたが、とりあえず「前向きに検討するので更新料の正式な見積書を下さい」と要求して、初めての交渉は終わった。

さてさて、この先どうしようか…。父の介護、結婚、借地権の更新、という状況のため、自ずと答えは出ているようなものだ。「実家を建て替えて2世帯で一緒に住む」が最良の選択なのだが、「お金が…」、「妻になんて切り出そう…」、グルグル頭の中で考えていた。

続く

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