旧交を温める(2)

前職の同僚だった先輩が私の夢に現れた。その夢の内容は、娘と二人で遊びに出かけた先で、昼食を取ろうと入った飲食店の少し離れたテーブルに、その先輩が座っていた。見慣れた仕事中の作業着姿で、同じテーブルの2名と食事を終えると仕事の話をしながら店を去って行った。

目が覚めても夢の内容を鮮明に覚えており、なんだか気になったので連絡を取ってみようと思った。社歴は先輩でも私の部下だったし、気兼ねなく食事に誘える関係でもあったので、早速LINEを送った。

ところが、数日が経っても既読が付かない。普通ならば「スルーされたかなぁ」と思うが、妙な夢を見たせいで「もしや、死ぬ前に夢に現れたのか?」という発想が湧き、心配になってしまった。

それから1週間が経ち、心配していた気持ちも忘れかけた頃、返信が来た。単純に気が付かなかっただけのようで、お互いにちょうど予定も空いていたので、その数日後に二人で飲みに行った。

酒を酌み交わしながらの会話は、やはり前職の会社や仕事の話がメイン。どうやら私が辞めた後に、その先輩が管理職のポストに就いたようで、その悩みや苦労を話していたが、どこか嬉しそうでもあった。不器用ではあるが非常に真面目で前向きなタイプなので、周りのサポートがあれば大丈夫だろうと思いながら、ずっと話を聞いていた。

先輩の話が一通り終えると他の方達の近況や様子を聞いたのだが、とてもお世話になった関係業者の方が、ガンで急逝した事を聞き驚いた。年上だが私と5歳くらいしか離れていないため、とてもショックだった。

同年代でも2度と会えない人が現れて始めてきたので、「会いたいと思った人には、会える時に会っておこう」という思いを一掃に強くした。

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