母の介護(2)ガン治療を諦めてから

母のガンに回復の見込みがなくなってから終末医療に移行するまでの間、何をどうすれば良いのか分らなかった。

大学病院の対応

母は元々、間質性肺炎で大学病院へ通っており、そこでガンも発見した。ガン発見後も主治医は呼吸器内科の先生のまま変わらなかった。だからガンについては専門外なので、肺炎の定期診察が終わると他の科への予約・手配をするだけで、それ以上の面倒は見なかった。

積極的治療はしないという方針は伝えたが、母の体力が衰えて通院が厳しい状態になっても「また来週予約しておきます」と言って診察を終え、今後の通院や余命についての説明やフォローは一切なく、非常に冷たい先生だった。

かかりつけクリニックの対応

脳転移で認知症が進んだ母は、自分がガンであることも忘れ始めていた。「腰が痛いから整形外科に行きたい」「ウンチが出ないから肛門科に連れてけ」「お腹が痛いから救急車を呼んでくれ」など毎日のように苦しみを訴えた。

かかりつけの大学病院は、待ち時間が非常に長くて体力的な負担が大きい。そして、よほどの事でもなければ相手にもしてくれない。そのため、母が通っていた近所のかかりつけクリニックへ何回か連れて行った。決して痛みが治ることはないが、気休め程度になればと思っていた。しかし、そんな末期ガン患者が来ても町のクリニック側にとっては迷惑だ。あからさまに無碍な扱いをされた事もあった。

週末医療の準備へ

余命宣告はされていないが治療は諦めた患者は、中途半端な状態である。だが痛みや苦しみは続いている。大学病院も近所のクリニックにも冷たく扱われて「一体、どうすればいいんだよ!」と怒りと哀しみが溢れていた。そんな時、母の睡眠薬処方のために通ったクリニックの医師から「もう週末医療に切り替えた方が良いよ」という言葉を契機に踏ん切りがついた。

自分で終末医療についてネットで調べていると、かかりつけの大学病院内にガン患者用の終末医療相談コーナーが有ることを発見した。「有るなら最初から教えろよ!」冷たい主治医への怒りが沸いた。相談コーナーを予約して訪れると、終末患者向けの入院病棟や訪問医療を説明してくれた。そして、すぐに準備を始めた。

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