2022年の6月、母にガンが発見・告知されて約半年後に亡くなった。本当にあっという間だった。
母は持病の間質性肺炎(肺の組織がだんだんと硬くなる病気)で定期的に近所の大学病院で検査・通院していた。ある日、レントゲンで肺の近くに影を発見したので検体のための細胞摘出手術を受けた結果、ガンと告知された。ただし肺ガンではなく大元の原発は不明で、あちこち転移している可能性もあるとのこと。母は数年前から原因不明の腹痛に悩まされており、何度も救急車搬送されることもあり、救急病棟で検査しても原因不明で、痛みが治ると家に戻されるということを繰り返していた。今になって思えばそれもガンが影響していたのかもしれない。
抗がん剤での治療を選択して開始したが効果は無かった。それどころか入院中に脳転移が発見されたため、抗がん剤治療は中断して緊急で別の病院へ移り、ガンマナイフ手術を受けた。脳内には既に6個の大きな腫瘍があり放射線治療で取り除いた。
退院後の9月ごろ、母と姉、私で家族会議を開き「もう思い残すことは無いから、これ以上は積極的な治療はしなくて良い」という母の意向を尊重することにした。いわゆる終活というヤツだ。そして母から様々な引き継ぎを進めていた。
しばらくは体調も良さそうで、抗がん剤で抜けた毛も再び生え揃い生気のある顔を取り戻していたので少し安心していたが、12月になると様子が一変して歩行困難な状態になった。再検査の結果、脳腫瘍が再発していた。
短期間での放射線治療はリスクを伴い「脳梗塞」や「認知症」が高確率で起きるらしい。しかし放っておけば腫瘍が脳内を圧迫して危険な状態になってしまうので、再び緊急手術を行った。
手術前から母は少しボケ始めていた。前回の脳腫瘍発見時にも同様の状態が起きていたが手術後にはボケも戻り歩けるようにもなっていた。ところが、2度目の手術後は以前の状態には戻らなかった。
それ以降は何をするにも介助が必要になり、本格的な母への介護生活が始まった。
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