母の介護(1)ガン発見と治療

2022年の6月、母にガンが発見・告知され、その約半年後に亡くなった。本当にあっという間だった。

肺の近くに影を発見

母は持病の間質性肺炎(肺の組織が徐々に硬くなる病気)で、近くの大学病院へ定期的に通院していた。ある日、レントゲンで肺の近くに影を発見し、検体のための細胞摘出手術を受けた結果、ガンと分かった。ただし肺ガンではなく、大元の原発は不明で、あちこちへ転移している可能性もあるとのこと。母は数年前から原因不明の腹痛に悩まされており、何度も救急車搬送される事があった。救急病棟で検査しても原因不明で、痛みが治まると家へ返れることを繰り返していた。今になって思えば、それもガンが影響していたのかもしれない。

抗がん剤治療

がん告知から間もなく、抗がん剤による治療を開始した。例に漏れず母も髪が抜け落ちたが、母に落ち込む様子はなく私には明るい顔を見せてくれていた。しかし良い効果は現れなかった。

脳転移

3度目の入院初日、看護師から足を躓く事が多い事を指摘され、MRI検査を受けると脳への転移も発見された。抗がん剤治療は中断し、別の専門病院へ移った。脳内には6個の大きな腫瘍があり、脳圧が高くなり始めていたため緊急でガンマナイフ手術を受けて取り除いた。

終活の開始

一時は歩行困難だった母は、脳手術後は一人で歩けるまで回復した。退院後、母・姉・私の3名で今後について話し合った結果、「もう思い残すことは無いから、これ以上は積極的な治療はしなくて良い」という母の意向を尊重することにした。

それから、いわゆる”終活”というモノを始めた。母から銀行口座などの引き継ぎを進めると同時に、やりたい事や行きたい場所などの希望を聞き、出来るだけ叶えようとした。

脳腫瘍の再発

術後の3ヶ月ぐらいは体調も良さそうで、抗がん剤で抜けた髪も再び生え揃い、生気のある顔を取り戻していた。ところが、ある日から様子が一変して再び歩行困難な状態になった。すぐに再検査を受けさせると、脳腫瘍が再発が見つかった。

短期間で2度目のガンマナイフ手術はリスクを伴い「脳梗塞」や「認知症」が高確率で起きるらしい。しかし放っておけば腫瘍が脳内を圧迫して危険な状態になってしまう。選択肢は無く、再び緊急手術を行った。

手術前から母の頭は少しボケ始めていた。1回目の手術後にはボケも回復したが、2度目の手術後で回復しなかった。徐々に母が別人になっていくようで、怖くて悲しくなった。

その後は、母の生活の全てに介助が必要になり、本格的な介護生活が始まった。

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