母の介護(3)介護サービスの利用

母のガンが進行して自立歩行が不可能になると、本格的な介護生活の準備を進めた。

車イスのレンタル

まず必要になったのは車イス。これが無いと病院へ連れていく事もできない。どうやって入手できるのか分からなかったが、ネットで「車イス 〇〇区」と検索すると、近所に無料で貸し出してくれるデイサービス施設を発見。最長で2週間ほど利用できるので、介護用品の準備が終わるまでの間、利用させてもらった。

介護保険の申請

介護保険や終末医療の受け方をネットで調べた結果、まずは地元市区町村の相談窓口にを訪ねる事にした。そこで現状を説明すると、すぐに相談を聞いて然るべく対応をしてくれた。親切な窓口担当の方から、介護保険の内容や申請方法を教えてもらい、その場で手続きを済ませた。すると早速、ケアマネージャーさんも紹介してもらえた。

家庭調査

介護保険の申請から2週間ほど経った頃、我が家へ調査員が訪れ、母の様子や住宅環境を確認された。確認を終えた調査員からは「間違いなく”要介護4”相当が認定されるが、年末年始で役所が休みに入ってしまうため認定が遅くなるかもしれない。」との説明された。

結局、介護保険の認定されたのは、その2ヶ月後。母が息を引き取る一週間前だった。

認定前でも介護サービスは利用可能

しかしながら、認定前の暫定状態でも公的な介護サービスは利用できた。ケアマネージャーが就くと、瞬く間に介護用のベッドやトイレ、車いす等のレンタルを手配してくれた。こちらの状況や希望をヒアリングして、入浴サービスや訪問介護の段取りも進めてくれた。

母の担当に就いたケアマネージャーさんは、様々な手配や準備をアッという間にこなす頼もしい方だった。少しセッカチで説明を省きがちで戸惑うこともあったが、非常に感謝している。

入浴サービス

介護サービスを受けられるようになってから、母が一番喜んでいたのは入浴だった。サービスを受ける前は、私が母の服を脱がして身体を拭いていた。それだけではキレイに洗いきれなかったし、お互い気マズかった。

入浴サービスは、3〜4名のスタッフさんが簡易浴槽を持参して訪れる。お湯は我が家の水道から引き、浴槽の準備が終わると丁寧に身体を洗ってくれた。これに母は満足して、週2回の入浴を毎回待ち遠しそうにしていた。

訪問診察

ガン治療は諦めで終末医療を選択したので、専門の医師を紹介して頂けた。週1回程度のペースで訪問して、容態確認と薬の処方をしてくれた。母が通っていた大学病院とも連携して診察情報を引き継いでくれたようだった。

他にも、24時間宅配サービス対応の調剤薬局を紹介してくれたり、介護生活が辛くなり終末病棟へ入院を検討すると、病院の紹介もしてくれた。結局、母は在宅のまま亡くなったので、最期の死亡診断もこの医師が診てくれた。

訪問看護

毎日、看護士さんが訪問介護に来て頂けるようになり、容態確認と排泄解除をして頂いた。

これにより、私の体力や精神的な負担も軽くなった。訪問中のわずか30分間でも安心して眠れる事が非常に助かった。重労働だった母のトイレ補助も必要なくなり、腰痛に悩ませる事も無くなった。そして、私の健康状態にも気を遣って頂き、優しい声をかけて頂いた。

介護は公的サービスの利用が必須。社会保険料は上がり続けているが、福祉や介護に従事している方々を見ると、文句は言えないなと痛感した。

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