★★☆☆☆ 2025 出演:シドニー・チャンドラー、アレックス・ロウザー
感想
この作品のために、ディズニープラスに再入会した。前半は退屈で、我慢しながら見ていたが中盤からググッと面白くなる。しかし、最終回はゴミカスで怒りを覚えた。
クラシックなエイリアン・シリーズを踏襲しながら、プロメテウスのような哲学性を打ち出していた。新たに多くの設定やキャラクターも加わり、良い所も悪い所もあるがシリーズの世界観を拡張しようという気概は感じた。
だが、煽るだけ煽った挙句、その期待を見事に無視した結末では、低評価は当然。
多様なアンドロイド
エイリアン・シリーズといえば「女性主人公 VS ゼノモーフ」だが、もう1つ重要な存在がアンドロイド。作品によって、敵の場合や味方の場合もある、ジョーカー的ポジションを担うことが多い。今作はアンドロイドが主人公であり、様々なタイプが登場した。
- 人造人間型…ゼロから無機物で造られたタイプ。同シリーズでは白い体液を流すことでお馴染みのタイプ。
- 改造人間型…元は人間だったが、改造手術を受けて強化したタイプ。
- ハイブリッド…ゼロから造られた身体に、人間の意識を移したタイプ。

今までのシリーズで登場するアンドロイドは1作につき1〜2体だが、今作では何体も登場する。そして主人公もハイブリッド型のアンドロイド。それぞれのタイプやポジションで、アンドロイド同士が牽制し合う展開が面白い。
今作は、このアンドロイド達が人間への謀反を起こす流れがメイン・ストーリー。それはそれでプロメテウスのようで面白いのだが、シリーズのアイコニックな存在であるゼノモーフは、とても影の薄い存在になってしまった。
飼い慣らされたゼノモーフ
本作に登場したゼノモーフは3体。
- 宇宙船内で誕生し、地球へ墜落して来た個体
- 地球のラボで誕生し、主人公ウェンディと意思疎通した個体
- ラボの博士からチェストバスターした個体
個体1は、鉈1本でウェンディに殺されてしまう(‘o’;)。個体2と3は、ゼノモーフ語を理解したウェンディに服従(‘o’;)。ウェンディがチート過ぎるせいで、ゼノモーフが怖くない。

第5話では見せ場があったが、第6話で、まるで番犬のような扱いになった姿を見ると、スッカリ冷めてしまった。真っ昼間の明るい場所に登場したゼノモーフには不気味さを感じないし、複数人の警備兵達のマシンガンが、1発も当たらないのは流石にないだろう。どんなに優れたキャラクターでも、演出次第で魅力が半減するんだな…と思った。
未知の生物達
ゼノモーフの他にも複数の種類の生物が地球に持ち込まれた。これらも謎多く不気味な生態で、はっきり言ってコッチの方が興味を惹く。未知の生物の中で最も気になる存在は「目玉の親父」みたいな寄生生物。コイツが一体、誰に寄生するのかがストーリーの目玉だった。
そのせいで、ゼノモーフの影がもっと薄くなるため「この作品は、別に”エイリアン・シリーズ”じゃなくてもイイんじゃないか?」と思ってしまった。
ガッカリ過ぎる最終回
全8話中、第7話の終了時点で展開しない布石や、明かされない謎が多過ぎたので「あと1話で、ちゃんと終わんのか?」と思っていたら案の定、最終回はストーリの進みが遅く、何も決着しないまま、制作されるかも定かではない”シーズン2”へ、ブン投げて終わった。海外ドラマで何度も見て、何度も落胆したパターンである。
せめて、一応の決着はつけろよ!(怒)
主人公が、ゼノモーフとタイマンで勝てるほど屈強な身体能力を持つ上、マシンもゼノモーフも操れる「チートキャラ」になっため、魅力も感情移入も失せた。
もしも続編が作られたら、愛する兄との間に生まれ始めた確執が、弱点となりストーリーの軸にもなるのだろうが、このシリーズ作でソレを見たいとは思えない。
ゼノモーフを作品の真ん中に置いて欲しい。だから第5話は面白かった。
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