自宅で母の介護を続けながら、緩和ケア病棟へ入院する準備も進めていた。
決断
人生の最期は、家族と共に自宅で過ごすのか、病院で手厚い看護を受けて過ごすのか、どちらが母には良いのだろうか?。答えは出ないまま迷っていたが、私も介護疲れで共倒れになってからでは遅いので、緩和ケア病棟へ入院できる準備を開始した。
入院を迷っていた理由には当然、入院費用の心配もあった。緩和ケア病棟の入院費用は病院や病室のグレードに拠るが、最低でも一泊5万円程度はかかり、1ヶ月で200万円近くの出費。何ヶ月も入院させる程の資産は無かった。
しかしながら、私の体力が限界を迎えていた事と、訪問医師から「余命3ヶ月程度」と宣告された事を契機に、緩和ケア病棟へ移る決断をした。
病院の選定・見学
病院の選定は、自宅から見舞いに通い易い場所を条件に、訪問医師から勧められた候補から検討した。可能な限り早く入院できそうな病院を優先に第1候補を決定。事前の利用申し込み手続きを済ませ、病院を事前見学する事になった。
見学の日は、姉に介護を頼んだ。自宅からおよそ90分。病院へ到着すると、まず病室や施設を案内して頂き、その後に家族面接が行われた。家族面接では、患者や家族の状況をヒアリングされ、諸注意や入院費用の説明を受けた。入院費用についても朗報があり、全体の何割かの病室は入院費用が割安になるようで、入院後でも順番を待てば該当の病室へ移動できるとのこと。
安心して預けられそうな環境で母も今よりは楽に過ごせるかと思い、その場で最終決定をして手続きを済ませた。
最期は自宅で
病棟に空室が生じ次第、入院できる事になり数日間、順番を待って過ごす事になった。「空室発生=誰かが死んだ」という事なので少し複雑な気分だった。
ところが病院を見学した翌週、母は息を引き取り自宅で最期を迎えた。
もしかして「子供にお金の迷惑をかけたくない」または「病院へは行きたくない」という気持ちで、母が自ら死期を早めたのでは?。と思えた。
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