母の介護(5)酷い救急外来

介護中は、何度か救急外来でお世話になることがあった。お医者さんや看護士さんには毎回とても感謝する。しかし、中には酷い病院もあった。

救急車

ある日、訪問中の看護師さんから「酸素濃度が低くなっていてチアノーゼの可能性がある」との報告を受けた。「チアノーゼって何ですか?」と思いながらも、訪問医師に電話相談したところ、間質性肺炎が進んだ可能性があるので救急車を呼び病院へ行くように指示を受けた。

医師の指示通りに救急車を呼び、母を乗せると救命スタッフへ状況を説明した。すると案の定、受け入れ先の病院が決まるまで30分ぐらい待たされた。

これまで十数回ほど救急車に乗り合わせたが、通院していた大学病院にも救急外来はあるが、そこへ搬送されたことはない。コロナ禍で受け入れを制限しているからである。断られると分かっていても通院先の救急外来に受け入れ確認を行うので、無駄な時間を過ごすことになり毎回憤ってしまう。

第一声から怒鳴る看護師

その日の受け入れ先は、初めて行く病院だった。救急車から診療室へ母が運ばれると、私は待合ロビーで待機していた。暫くすると、怖い顔をした中年の女性看護師が現れて「ねぇ、靴は持ってきて無いの?、なんで?、これじゃ帰れないじゃん!」と、いきなり怒鳴り口調で私に話しかけてきた。こちらも慌てて救急車を呼んだので、帰りの事にまで考えが及ばず非はあったが、「救急患者の家族に向かって第一声がそれかよ!」と怒りが込み上げた。私が靴は持ってきていないことを伝えると「仕方ないから病院のスリッパ貸してあげるよ!」と言い捨てて、どこかへ去っていった。

母の状態についての何の説明もなかったが、帰りの心配をするぐらいだから大事はないだろうと推察すると、「この病院に入院はイヤだなぁ」と思い始めた。

診療室は口の悪いスタッフだらけ

それから時間が経つと、母の待つ大部屋の診療室に通されて、検査結果が出るまで一緒に待つように案内された。母が室内は寒いと訴えるので、体にかける物を貸してもらえないか看護師さんにお願いすると、面倒臭そうな顔をして近くにあった毛布を渡された。

しばらく大部屋の診療室で待機していると、先ほど靴の件でムカついた女性看護師が室内に現れた。すると大きな声で「さっきの〇〇さんの検査結果、真っ赤っかだわ!。もうお手上げ〜」、「今夜は認知症だらけでパーティ状態!」などと、患者を茶化している会話が聞こえた。その会話の相手である若い男性医師も同じようなノリで応答。他にも救急患者への失礼な振る舞いが目に付き、一刻も早く母を家に連れて帰りたくなった。

その後、「特に異常はないので、帰って頂いて大丈夫です。」と言われて安心。さっさとタクシーを呼んで帰宅した。コートも靴下も持っていなかったので母には寒くて辛い思いをさせてしまい、こんなことなら救急車なんて呼ぶんじゃなかったと後悔した。

それにしても、本当に酷い病院だった。あまりに忙し過ぎて頭が狂ってしまったのだろうか。

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