2021 ノルウェー 監督:エスキル・フォクト ★5.0
あらすじ
家族と集合団地へ引っ越してきた少女イーダ。自閉症の姉に振り回されながら鬱屈した日々を過ごしていた。そこで知り合った不思議な力を持つ子供達と遊んでいると、姉にも不思議な力が使えるようになり始めた。。。

感想
”北欧サイキック・スリラー”というジャンルに惹かれて見始めだが、期待以上に面白かった。超能力モノでは近年最高傑作だと思う。超能力シーンはとても地味なのだが、設定と演出で補うに余りある魅せ方をする。セリフも全くなく淡々と進むけど緊迫感のあるラストバトルが特に好きだ。最近はX-MENで派手な能力バトルばかり見ていた反動かもしれないが…。
他のネットレビューを見ると「大友克洋のマンガ『童夢』を実写化したようだ」という意見をよく見るし、実際に影響されたのだろう。『童夢』は読んでいないが『AKIRA』っぽさは感じた。しかしながら私の場合は、昔の深夜ドラマ『NIGHT HEAD』を彷彿とさせた。このドラマも視聴可能ならば、また見返したい。
超能力を得た友達が仲間割れする展開は『クロニクル』を思い出すけど、今作はメインキャストが小学生くらいの子供達で家庭描写が多く、親との子の関係性が能力や展開に影響を及ぼしている所が興味深かった。子供達が超能力を持つ理由は作中では語られないが、なぜその能力に目覚めたのか家庭環境を背景に伺える。同じ年齢くらいの娘を持つ親としては、観るのがツラいシーンもあれば、泣かせてくれるシーンもあり、様々な感情を揺さぶられた分、主軸のスリラーがより面白く感じたのかもしれない。
意味深なラストカットは色んな解釈が出来るのだけど、私の場合は「戦いはまだ終わっていなかった!」的な意味で捉えた。視聴者に解釈を任せた余白部分は他にもある。団地内には超能力を持つ子が沢山いるの?、主人公の能力はなんだったの?、など考えを巡らせながら次回作を妄想できる。
オマケ
エスキル・フォクト監督の過去作を調べたら、前に観た『テルマ』を脚本していた。これも作品テイストが似ていて「超能力、親子関係、同性愛、宗教観」をテーマにした作品で面白かった。この人の他の作品も面白そう。


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