ドラゴン・ボールにハマった娘。お笑い好きの私。そんな親娘が観るYouTubeのオススメに、こんな動画が現れた。
この動画内の考察が面白くて、原作がどんな内容だったか気になり始めて、娘が飽きてしまった人造人間編の続きを確認した。
原作に登場するタイムラインは最低3つ

ネット検索すると様々な考察が溢れているが、私がまとめた時系列は上の図の通り。近年のアニメや「超」は見ていないので、原作マンガのみを参考にしている。原作から確認できたタイムライン=世界は3つ。
- 原作本編の世界
- 未来のトランクスが住む世界
- 本編に現れたセルが生まれた世界
この作品内では時間移動による過去改変は、いわゆる”親殺しのパラドクス”が生じない『分岐した並行世界論』を採用している。そして、この作品に登場するタイムマシンの最大の特徴は、冒頭に紹介した動画内の考察通り『異なるタイムライン=並行世界』を指定して往来が出来ることである。未来のトランクスは本編世界の歴史を変えても自分がいた世界に戻れるし、一度戻った未来から改変した世界に再び来る事が出来る。ブルマの作ったタイム・マシンはSF作品史上、最高傑作かもしれないし、いま流行りの”マルチバース”の先駆けと思うと興味深い。
原作本編の世界
みんなご存知のマンガ内で描かれた『未来トランクスの介入により改変されたタイム・ライン』である。本編ストーリーなのに本来の正史ではないのは珍しいのかな?。人造人間の強さやナンバリング等が未来トランクスのいる世界と異なるのは、トランクス自身の介入による影響なのか、さらに過去に遡って訪れていたセルによるものなのか、想像を膨らませると面白い。
もしも、トランクスの2度目の来訪がなかったら…、ブルマと赤ちゃんトランクスは20号によって飛行艇ごと爆破されてしまうので、トランクスもタイム・マシンも存在しない未来になるな…なども想像した。もっともドラゴン・ボールで生き返ることは出来るがw。
この世界で私が気になった点は「この世界で製造されるセル」である。原作に描写は無いが誰かが製造中のセル(基地)を破壊しているのだろうか。そもそも製造されていないのだろうか。あるいは、違う世界から来た(本編の敵となる)セルが、17/18号を奪い合う競合相手とみなし自身で破壊しているのだろうか。
未来のトランクスが住む世界
読切番外編で描かれた世界である。少し注意が必要だが、セルゲーム後に未来に帰ったトランクスが第一形態セルを返り討ちにするシーンは、本編内のエピローグとして描いているので、必ずしも同じタイム・ラインとは限らない。
このタイムラインが本来の歴史なのかと思いがちだが、3つ目の「セルがいた世界」を考察すると考えは変わった。
本編に現れたセルが生まれた世界
本編の敵となるセルが生まれた未来の世界である。トランクスを殺してタイム・マシンを奪い、本編世界へ未来からやってきた。とセル自身が語っているがマンガ内でこの世界の描写は無い。
この世界は前述の未来編のどこかで分岐した世界なのかと思っていた。ところがセルのセリフで矛盾が出てくる。この世界のセルの製造過程においてDr.ゲロのスパイロボットが、トランクスがメカフリーザを倒すシーンを目撃しているのだ。これは未来編で発生していないイベントである。
だから『未来編が本来の歴史である』という認識にも疑問が生じてくる。
では、本編が分岐したタイム・ラインなのか?。『セルが登場しないまま人造人間達を倒す事ができた。その数年後にセルが生まれた世界』と解釈すると辻褄が合うような気がしたのだが、セルは悟空が心臓病で死んでいない事に驚いていたので、やはり矛盾が生じる。セルの知っている歴史は、本編と未来編がMIXしたモノになっているのだ。
ネット上にはこれらの疑問を解決する考察があるが、私は早々に諦めた。「並行世界は無限だから」の一言で済んでしまうからである。そもそも鳥山明がそこまで考えているとは思えないしw。
バトル漫画としては人造人間編以降は飽きていたが、SFマンガとして考察することによって新しい面白さが発見できた。また考察するなら次は人物描写かな。
オマケ
ネット上の考察では「自分の身体よりも小さいタイム・マシンに乗るためにセルは卵まで退化した。では、タイム・マシンの蓋を閉めたりスイッチの操作は誰がしたのか?」という議題が出てくる。私も思ったが、アニメでは描写されており、退化する過程の姿(幼虫のような状態)で操縦していた。
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